花を贈るときアレルギーや香りはどう配慮する?花粉と香りの少ない花と、花屋への伝え方

窓辺の麻布の上に置かれた、素焼きの小さな花瓶に挿した白いトルコキキョウ一輪と緑の葉

花束で花粉症のような症状が出ることは多くありませんが、「香りの強い花」と「花粉が落ちる花」は避けたほうが安全です。相手の体質が分からないときは、花屋に「香りの弱い花で、花粉は取ってください」と一言伝えるだけで、ほとんどの心配は消えます。

花を贈ると、相手のアレルギーが出ることはあるのか?

春の花粉症の原因になるスギやヒノキは、花粉を風に乗せて飛ばす植物です。一方、花屋に並ぶ花の多くは、虫に花粉を運んでもらう植物で、花粉が重く、空気中にはあまり舞いません。花束を1つ部屋に飾っただけで、スギ花粉の季節のような症状が出ることは多くないと言われています。

ただし、気をつけたいケースがいくつかあります。

  • キク科の花。キク、ヒマワリ、マトリカリアなど。多くは花粉が舞いにくい花だが、ブタクサやヨモギ(同じキク科)の花粉症がある人の中には、まれに反応する人もいると言われる
  • 花粉が落ちる花。ユリの花粉は量が多く、触れると肌や服に付く。肌の弱い人はかゆみが出ることもある
  • 香りの強い花。アレルギーとは別に、強い香りで頭痛や吐き気が出る人がいる。妊娠中や治療中は特に敏感になりやすい

配慮するのは「アレルギーの有無」より、「花粉」と「香り」の2つです。この2つを抑えれば、体質が分からない相手にも贈れます。ここに書いているのは買う側として集めてきた一般的な目安で、医学的な判断ではありません。

花粉や香りが強いのは、どの花なのか?

花屋の店頭でよく見かける花を、香りと花粉で分けるとこうなります(品種によって差があります)。

区分花の例注意点
香りが強いユリ(カサブランカ)、フリージア、ストック、スイセン、ヒヤシンス閉め切った部屋や病室、飲食店では香りがこもる
花粉が落ちやすいユリ、ヒマワリ(花粉の出る品種)、アルストロメリア服やテーブルクロスに付くと落ちにくい
キク科(体質によって注意)キク、ヒマワリ、ガーベラ、マトリカリアブタクサ・ヨモギの花粉症があると分かっているなら、念のため外すと安心
香り・花粉とも控えめトルコキキョウ、カーネーション、ラナンキュラス、アジサイ、香りの弱いバラ体質が分からない相手に選びやすい

ヒマワリには「サンリッチ」のように花粉がほとんど出ない品種もあり、切り花ではこのタイプがよく使われています。ユリも、花屋がおしべの先(花粉の袋)を取ってから渡してくれることがほとんど。「ユリだから絶対にだめ」ではなく、香りが気にならない場面で、花粉を取ってあれば贈れる花です。

なぜ「いい香りの花」が、贈り物では外れることがあるのか?

友人が小さなイタリアンの店を開いたとき、僕はカサブランカを3本入れた8,000円のアレンジメントを贈りました。店頭で香りをかいで「これなら華やかだ」と決めた花でした。

開店3日目に店へ行くと、僕の花は入口の外、傘立ての横。友人は申し訳なさそうに「香りが強くて、パスタの匂いが分からなくなるんだ」と言いました。白いテーブルクロスには、店に運び込んだ日に付いたオレンジ色の花粉の跡が残っていました。花屋を100軒以上まわってきて、香りは「いい花の条件」だとずっと思い込んでいたのです。

香りは、贈る側にとっては魅力でも、置く側にとっては「部屋の空気を変えるもの」です。飲食店、病室、赤ちゃんのいる家、狭いオフィス。受け取った人が1日中その香りの中で過ごす場面では、香りの強さはそのまま負担になります。開店祝いの花選びは開店祝いの花、相場はいくら?に、業種ごとの注意点と一緒にまとめています。

相手の体質が分からないとき、どう確かめればいいのか?

本人に「花粉症ある?」と聞くと、何を贈るかが分かってしまいます。サプライズを残したいなら、周りに聞くか、普段の様子から推し量るか、最初から配慮した花にするかです。

  1. 家族や同僚に聞く。「春先によくくしゃみしてる?」「香水とか苦手そう?」くらいで十分
  2. 普段の様子を思い出す。家や職場に花を飾っているか、柔軟剤や香水の香りを嫌がっていないか
  3. 迷ったら「配慮した花」にしておく。香り・花粉とも控えめな花なら、体質に関係なく失敗しない

迷ったら、最後の「配慮した花」でほぼ解決します。香りの弱い花を選んでも、見た目の華やかさはほとんど変わりません。トルコキキョウやラナンキュラスは花びらが重なって見栄えがします。花屋の友人の答えも「香りがない花だけで、十分きれいな花束は作れる」でした。

花屋には、何と伝えれば配慮した花束にしてもらえるのか?

花の名前が出てこなくても、注文はできます。「誰に」「どこに置くか」と、避けたいことを1つ言えば、花屋が合う花を選んでくれます。場面ごとの伝え方はこうです。

場面伝え方の例
体質が分からない相手「香りの弱い花で、花粉は取っておいてください」
花粉症があると分かっている「花粉症の人に贈るので、キク科は外して、花粉の出ない花でお願いします」
飲食店の開店祝い「飲食店に置くので、香りのない花でお願いします」
出産祝い・妊娠中の人「赤ちゃんがいる家なので、香りと花粉の少ない花で」
お見舞い「お見舞い用です」(これだけで香りの強い花は外してもらえる)

病院への花は、香り以前に生花の持ち込み自体を禁止している病棟もあります。お見舞いの場合はお見舞いに花を贈るのはタブー?で、先に確かめておくことを書いています。産後の家への花は友達の出産祝いに花は迷惑?も参考にしてください。

生花そのものが心配なら、何を贈ればいいのか?

相手が重い花粉症だと分かっているとき、病室に生花が持ち込めないとき。そんなときでも、花という選択肢は残ります。

種類価格の目安向いている場面
プリザーブドフラワー3,000〜6,000円香りも花粉もほぼない。水やり不要で、1〜2年飾れる
アーティフィシャルフラワー(造花)2,000〜5,000円生花禁止の病室など。ほこりを払えば長く使える
ドライフラワー2,000〜4,000円香りは弱い。ただし崩れやすく、ほこりが付くので病室には不向き

ほとんどの場合は、生花で困る場面のほうが少数です。「香りの弱い花で、花粉は取って」と伝えた生花は、配慮したことがちゃんと伝わる贈り物です。気をつかうことは、花をあきらめる理由にはなりません。

よくある質問

花粉症の人に花束を贈っても大丈夫ですか?

花屋の花の多くは虫が花粉を運ぶ植物で、花粉が空気中に舞いにくいため、花束で花粉症のような症状が出ることは多くないと言われています。ブタクサやヨモギの花粉症がある人の中には、キクやヒマワリなど同じキク科の花にまれに反応する人もいると言われるので、心配なときは花屋に「キク科は外して、花粉の出ない花で」と伝えると安心です。

香りの少ない花には何がありますか?

トルコキキョウ、カーネーション、ラナンキュラス、アジサイ、香りの弱い品種のバラなどが選びやすい花です。反対に、ユリ(カサブランカ)、フリージア、ストック、スイセン、ヒヤシンスは香りが強いので、飲食店や病室、赤ちゃんのいる家に贈るときは避けたほうが無難です。

ユリの花粉が服に付いたらどうすればいいですか?

こすったり水で濡らしたりすると繊維に染み込んで落ちにくくなるので、まずはセロハンテープやガムテープで軽く押さえて取るのが一般的です。贈るときは、花屋におしべの先(花粉の袋)を取ってもらうと、受け取った人の服や部屋を汚す心配がなくなります。


花粉と香りについては、僕が花を買ってきた経験と、一般に言われていることをもとに書いています(2026年10月時点)。医学的な診断や助言ではありません。カサブランカの開店祝いは、僕自身の失敗です。僕は花屋でもフローリストでもありません。相手に重いアレルギーがある場合は、本人やご家族に確認したうえで、注文時に花屋へその旨を伝えてください。