送別会の花束、予算は1人500〜1,000円を目安に集めるのが基準です。10人なら5,000〜10,000円、20人なら1万〜2万円になります。ただし人数が多いときほど、集まった金額をそのまま花束1本に全部使わないほうがうまくいきます。
なぜ送別会の花束は人数で悩むのか?
これまで100軒以上の花屋を回り、100回以上花を買い、送別会の花束を幹事として手配したこともあります。個人で贈るときと違い、送別会は人数と集金という花選び以前の調整が発生するぶん決めることが多くなります。
やって分かったのは、詰まるのが「どんな花を選ぶか」ではないことです。花の話は最後の1割で、9割は人と金の段取りでした。この記事はその9割を順番に片づけます。
個人で贈る場合の相場は退職の花束の相場にまとめました。大人数の連名なら、1人あたりの負担感から逆算するほうが決めやすくなります。
誰まで声をかければいいか?
金額より先に決めるのはここです。人数が決まらなければ単価も決まりません。基準は「本人が送別会に呼ばれていると認識している範囲」までです。
| 相手 | 声をかけるか | 理由 |
|---|---|---|
| 同じ部署・チーム | 全員にかける | 抜けがあると後で気まずい |
| 他部署でよく組んでいた人 | かける | 本人が来てほしい相手の可能性が高い |
| 本人の同期(他部署) | 本人に確認 | 会に呼ぶかとセットで決まる |
| すでに辞めた元同僚 | 基本かけない | 連絡先がなく幹事の負担が跳ね上がる |
| 役員・部長クラス | 会に出るなら声だけ | 同額でよく、断られても問題ない |
迷ったら声はかけて、参加は任意にするのが安全です。声をかけずに後から「自分にも言ってほしかった」と言われるほうが、断られるより厄介になります。ただし辞めた人まで広げると連絡と回収で数日かかるので、そこは線を引いていい部分です。
何人で、1人いくら集めればいいか?
| 人数 | 1人500円 | 1人1,000円 | 現実的な花束の予算 |
|---|---|---|---|
| 5人 | 2,500円 | 5,000円 | 3,000〜5,000円 |
| 10人 | 5,000円 | 10,000円 | 5,000〜8,000円 |
| 15人 | 7,500円 | 15,000円 | 8,000〜10,000円 |
| 20人 | 10,000円 | 20,000円 | 10,000円前後 |
| 30人 | 15,000円 | 30,000円 | 10,000円前後+別の品 |
5〜10人なら1人1,000円、15人を超えるなら1人500円に下げても十分です。人数が多い部署ほど単価は下げたほうが、集金の負担も少なく済みます。
右端の列の通り、20人を超えると集金額と花束の予算は一致しなくなります。30人で1人1,000円なら3万円ですが、3万円の花束を電車で持ち帰るのは現実的ではありません。大人数では「花束の予算」ではなく「贈り物全体の予算」を集めていると考えてください。
集金はどうやって回せばいいか?
金額は上限として示すのが一番揉めません。「1人1,000円でお願いします」ではなく「1人1,000円までで集めています。難しければ500円でも」と幅を持たせると、断りづらさが消えます。
- 端数は作らない。500円か1,000円に揃えます。「1人830円」の割り勘計算は、両替とお釣りで幹事が消耗します。
- キャッシュレスと現金を両方受ける。PayPayなどのID一枚を先に共有すると、現金を持たない人からの回収が楽になります。「送金メモに名前を」と添えれば照合で迷いません。
- 集めた人の名前をその場でメモする。名簿に印をつけるだけで、二重請求と請求漏れが防げます。
足りなかったときは、不足分を幹事がかぶらず、花束のサイズを下げて調整します。自腹で埋めると次の幹事も同じことをする羽目になり、その職場の送別会が代々やりにくくなります。
全員が参加できないときはどうするか?
当日休みの人や他部署の相手がいると、人数が確定しないまま花屋に発注する場面が出てきます。
実際にやって分かったのは、集金の締切を花束の発注日より2〜3日前に設定しておくと、人数のズレをほぼ吸収できるということでした。当日欠席の人からも事前に集金しておけば、再計算をせずに済みます。締切がぎりぎりだと、当日サイズを調整してもらう手間が増えます。
欠席者には寄せ書きに一言もらっておくと、当日その人の名前も読み上げられます。また、集金と花束の手配は別の人が担当すると混乱しにくくなります。1人で抱えると当日の進行と集金確認が重なります。
集まった金額をどう振り分ければいいか?
ここが一番失敗しやすいところでした。集金額を全部花束1本に使うと、大きくなりすぎて本人が持ち帰れなくなります。2万円集まったからと2万円の花束にすると、両手でも抱えきれず、渡す瞬間は良くても後が大変です。
花に使う上限を1万円前後に決め、残りはカードや品物にまわすほうが当日の扱いは安定します。金額を上げても見た目の差が縮む理由は花束の原価を調べた記事の通りで、送別会でも同じです。
| 集金総額 | 花束 | 色紙・カード | 品物・その他 |
|---|---|---|---|
| 5,000円 | 5,000円 | — | — |
| 10,000円 | 8,000円 | 1,000円 | 1,000円 |
| 20,000円 | 10,000円 | 1,000円 | 9,000円 |
| 30,000円 | 10,000円 | 1,000円 | 19,000円 |
「品物・その他」は、無難ならカタログギフトや商品券、職場で分けられる焼き菓子。何を選んでも外しそうで手が止まるなら、プレゼントのセンスがないと感じるときを先に読むと基準が絞れます。
なお贈り物の集金と、会費・二次会費は財布を分けてください。混ぜると「花束にいくら使ったのか」が誰にも分からなくなります。
誰が代表して、いつ花屋に注文すればいいか?
幹事1人が代表で花屋に行き、他のメンバーには集合時間だけ共有すれば十分です。全員で相談すると決まりません。僕が幹事のとき、花屋へ伝えたのはこれくらいでした。
「送別会で贈る花束です。予算は1万円くらい、電車で持ち帰る人が多いので大きすぎないサイズでお願いします。」
用途・予算・サイズの3つが伝われば、花材は店側に任せて問題ありません。伝え方の基本は花屋での注文の伝え方と同じです。
予約は3〜4日前が目安、遅くとも前日までです。飛び込みでも作ってくれますが、そのときは店にある花で組むことになります。色や本数の希望を通したいなら、市場の仕入れが1回はさまる3日前までに。1万円超の花束や年度末(3月)は1週間前に押さえると確実です。
本人の好みが分からないまま発注する場合は、好みではなく状況を聞くほうが早いです。聞き方は相手の好みが分からないときの聞き方にまとめました。
当日、幹事はどう動けばいいか?
ここを詰めないと、開始10分前に花束を取りに走ることになります。
- 受け取りは当日の早い時間に。保水材で数時間はもちます。仕事帰りに寄る前提だと、閉店時間と開始時間に挟まれます。
- 横倒しにせず立てて運ぶ。車なら足元、電車なら花の側を上にして胸の高さで抱えます。潰れるのはたいてい移動中です。
- 会場では店員に預かってもらう。本人の目に入らない場所へ。テーブルの下に置くと踏まれます。
- 渡す人は事前に決めておく。幹事ではなく、本人と一番付き合いの長い人か直属の上司が自然です。当日「誰が渡す?」と聞き合う空気がもったいない。
- 順番は締めの挨拶の直前。本人の挨拶より前だと、花束を抱えたまま話すことになります。挨拶→花束→写真の順が一番きれいに収まります。全員が席を立つ前に30秒だけ撮影の時間を取ってください。
上司も同じ会にいる場合、分けたほうがいいか?
同僚と上司を兼ねた会なら、花束は1本にまとめて連名で贈り、上司にだけ別に個人の花を用意するかは任意です。上司への花選びで気をつける点は上司の退職祝いに贈る花の選び方にまとめました。
同じ会で複数人を送るなら、金額を揃えることだけ守れば十分です。片方だけ大きいと全員が気づきます。予算が足りなければ、全員のサイズを一段下げてください。
よくある質問
少人数(3〜5人)でもちゃんとした花束にできますか?
できます。1人1,000円でも3〜5人集まれば3,000〜5,000円になり、片手で持てるサイズの花束として十分成立します。人数が少ないことを気にする必要はありません。人数の少なさが気になるなら、花束の見栄えより一言メッセージや寄せ書きを添えるほうに気持ちを回したほうが伝わります。
集金を渋る人がいたらどうすればいいですか?
強制はしないほうがいいです。集まった人数分で金額を再計算すれば済む話で、参加は任意にしておくとトラブルになりにくくなります。全員に一律で声をかけつつ、金額は「〇〇円まで」と上限だけ示して、それ以下でも構わない形にしておくと集めやすくなります。二度目の催促はしないと決めておくと、幹事も楽です。
お釣りが出た場合、どうすればいいですか?
花束の金額を切りのいい数字にせず、余った分はメッセージカードや簡単な品物に回すと綺麗に使い切れます。無理に全額を花に使う必要はありません。少額であれば、次回別の同僚を送るときのために幹事が預かっておく運用にしている職場もありました。何にいくら使ったかを一行だけ共有しておくと、後から聞かれても答えられます。
この記事は、100軒以上の花屋を回り、100回以上花を買ってきた買い手の立場から書いています。僕は花屋でもフローリストでもありません。売る側ではなく、買う側として詰まってきた経験がもとになっています。
